2018.7.28 下半身
VIO脱毛後のチクチクした「かゆみ」原因と対策と注意点
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VIO脱毛をお受けいただいた場合、術後にチクチクとかゆくなるケースがございます。感じるレベルは患者さまによって異なりますが、脱毛メカニズム上、お肌が敏感になってしまいある程度かゆみを覚えやすいのは事実です。
どうしてVIO脱毛後はチクチクとかゆくなってしまうのか、またどのように対策していけば良いのかについてご紹介いたします。
VIO脱毛後にチクチクしたかゆみが生じる3つの原因
VIO脱毛施術後のチクチクしたかゆみの原因は主に次に挙げる3つです。
施術後の乾燥
伸びてきた毛先とお肌との接触
お肌と下着との摩擦
これらは脱毛施術のメカニズムや術後の反応上ある程度避けようがないものです。その理由を具体的に考えてみましょう。
1.脱毛施術後は「熱エネルギー」の影響で一時的に乾燥しやすい
脱毛施術後は、施術部位で一定程度乾燥しやすい状況が続きます。これは脱毛施術が「熱エネルギー」を毛根奥にまで浸透させる行為だからです。 術後も数日間は皮膚内部に熱が残った状態になりますので、どうしても皮膚が水分を蒸発しやすくなってしまいます。お肌の保湿力が低下するということは、外部刺激へのバリア機能の低下にもつながりますので、かゆみなどの要因をいつも以上に取り込んでしまいます。
2. 少し顔を出した毛先がお肌を刺激する
レーザーの照射後、その部位の毛が抜け落ちるまでには1~2週間程度必要です。施術前に毛を剃っていただくものの、毛が抜け落ちるまでには「毛先が皮膚から少し顔を出すタイミング」を通過しなければなりません。
患部がチクチクかゆくなる最大の原因は、このような少し顔を出した毛先がデリケートゾーンのお肌と接触するためです。レーザー光を受けた後の毛ですので、剃った場合に伸び始めた毛先のような「コシ」はありませんが、毛穴から顔を出したタイミングにはやはり毛先がお肌を刺激してしまいます。
3.お肌が直接下着に触れて刺激になる
施術に向けて事前に毛を剃っていただき、実際に施術を済ませた直後というのは、デリケートゾーンにこれまであった毛がない状態です。毛量ダウンを目指す施術の場合にも、初回施術では全て剃っていただくのが一般的です。
このようなことで、術後は下着に直接お肌が接触する環境になりますので、これまで毛がクッションの役割を果たしていた感覚とはやはり異なってきます。 お肌のバリア機能も一定程度低下している状態ですので、皮膚と下着の接触や摩擦が普段感じないかゆみを助長するケースがあるのです。毛の生えていないお肌に強い刺激をもたらさないように、接触する下着繊維などについて配慮することが大切です。
VIO脱毛後のかゆみ対策3つ
当院が患者さまにご案内している「VIO脱毛後のかゆみ対策」をご紹介いたします。
乾燥対策としての保湿ケア
過度に体温落差を作らない意識
下着選びへの配慮
上記3点について、詳しく具体的に見てみましょう。
1.乾燥対策としての保湿ケア
脱毛施術によって一時的に乾燥しやすい状態になるのは致し方ありません。このような反応は絶対に生じてしまうものとして捉え、保湿対策を立てることでその影響を最小限のものにしましょう。
デリケートゾーン専用の保湿クリームや敏感肌向けのローションなどを使用
具体的には「デリケートゾーン専用の保湿クリーム」や「敏感肌向けのローションや乳液」をご使用ください。特に入浴後、水分が失われているタイミングで適切に保湿ケアをしておくと、生じ得るかゆみを一定程度抑制する効果があります。
補足
保湿クリームをお使いになる際は、薄く丁寧に塗ることを心がけてください。成分によってはデリケートゾーンのお肌がかえって荒れてしまうケースもございますので、天然由来のものをお選びになると良いでしょう。
2.過度な体温落差を作らない意識
血行が良くなると体温が上昇し、その影響を受けてかゆみなどを感じやすくなります。ちょうど脱毛施術の際に冷却ガスで皮膚感覚を鈍化させるのと逆の作用です。このため、施術直後の生活におかれましては、不用意に血行を良くしてしまわないように気を配る意識が大切です。
「飲酒」や「過度な運動」を控えて適切な体温をキープ
「患部の毛が抜け落ちるまでの期間」を“術後ケアの重要期”と位置づけ、アルコール摂取や過度な運動をできるだけ控えるようにコントロールしてください。体温変化に大きな波を作らないように心がけることがポイントとなります。
ジョギング習慣があるんだけど…
たとえばウォーキングやジョギング習慣をお持ちの患者さまの場合、施術部位の毛が抜け落ちるまでの期間(概ね1~2週間程度)運動をストップするのは難しいと思われます。術後2、3日は自粛していただきたいですが、やはり元々お持ちの習慣は極力崩したくないと考えるのが通常です。
このような場合は、ジョギングを終えて帰宅後すぐに入浴するなどの対策をお立てください。日本人の場合には毎日入浴するのが通常ですが、このようにすれば急激な体温上昇の波が生じる回数を必要最小限度のものにコントロールできます。もちろん、入浴後は入念に保湿することが前提となりますので、この点はしっかりとお守りください。
3.下着選びへの配慮
お肌と下着とが直接触れ合うことでかゆみに繋がるケースもあるとお伝えしました。デリケートゾーンのお肌が直接触れるということですので、これまで以上に下着選びは重要になってきます。
通気性の良い天然素材の下着を着用
オススメとしては「コットン」などの天然素材のもので、ゆったりとした締め付けの少ない通気性の良いものをご選択ください。施術後ある程度お肌環境が安定するまでは「デザイン重視」ではなく、「機能性重視」に切り替えていただければ、不必要にかゆみを助長せずに済みます。
術後のVIOのかゆみに関する2つの注意点
脱毛施術後、施術部位の毛が抜け落ちるまでには1~2週間ほどかかります。既にお伝えしたように、術後数日程度で毛先が顔を出すとチクチクしたかゆみを覚えやすくなり、ある程度かゆみ対策を立てていても、やはり完全にはかゆみを回避できない場合もございます。
このかゆみに対して誤った対処をするとかえって症状が悪化してしまいますので、次の点については十分にご注意ください。
1.出てきた毛先を「毛抜き」で引き抜くのはNG
出てきた毛先がチクチクとかゆいからといって「毛抜き」を使って無理に抜こうとするのはお止めください。既にレーザー光を受けた毛ではありますが、熱が毛根組織を機能停止に追い込むまでには一定程度「熱の浸透期間」が必要です。
通常2週間を経過する頃までには施術部位の毛は自然に抜け落ちていきます。無理に「毛抜き」で抜こうとすると、内部でちぎれて毛が埋もれてしまう可能性(=埋没毛)がありますので絶対にお止めください。
カミソリもご遠慮ください
また、弱ったお肌に「カミソリ」を当ててしまうと、益々水分が失われてしまい更なるかゆみをもたらす可能性があります。このため、「毛先がかゆいのだからカットすれば良い」と考えるのも誤った判断です。 毛が自然に抜け落ちるまでは、やはり「お待ちいただく」というのが術後にお取りいただきたい対応です。
2.かゆいと感じた時にもかかないで!
患部をかいてしまっては皮膚が細かく傷つき、水分が失われて余計にかゆくなってしまいます。また細かな傷から雑菌が入り込み、別の皮膚トラブルを生むケースもございます。 かゆくてもかくことだけは避けるように強く意識していただき、もしもかゆみに耐えられないような場合には、すぐに当院までご相談ください(かゆみに有効な軟膏を処方できるケースもあります)。
VIO施術なら術後フォローのしっかりとした当院で♪
当院は「やりっぱなしの施術」という対応ではなく、術後も医療機関として患者さまのお悩みに適切なアドバイスをさせていただきます。ご相談が遅れてしまうと症状が悪化してしまうようなケースも考えられますので、施術後も何か気になることがございましたらどうぞお気軽にご連絡ください。
美容皮膚科を掲げる医療機関として、「美容医療」について信頼できるアドバイスを提供させていただきます。